5/18 藍上陸さんからのご相談
相談内容

拝啓

 はじめまして。いきなりこんなことをお尋ねするのも不躾かもしれませんが、いくつかの重大な問題が僕の人生に立ちふさがっており、とても困っています。どうか方策をお教え下さい。

・その一。

 愛する群馬の生まれ故郷の村が、前橋市に吸収合併されることになりました。来年の五月から僕は前橋市民です。どうやったら村民たるアインディティーを保っていけばよいのでしょうか?


・その二。

 スマブラXを買ったのですが、初代スマブラで愛用していたマリオの技が変更になっていて困っています。初代スマブラでは「+必殺技ボタン」でマリオはくるくる回転しながら敵を攻撃する「マリオトルネード」という技を使っていたのですが、Xではポンプで敵を吹き飛ばす意味不明な技に変更になってしまいました。マリオトルネードで複数の敵を巻き込みながらカチ上げるのが好きだったのに……これは明かな改悪だと思うのですが、三浦先生はどうお考えでしょうか? また、そんな状態でマリオをどうやって戦わせていったらいいのでしょうか? 隠しキャラのルイージがマリオトルネードに近い技が使えるのですが、あの脇役を使用するのは僕のプライドが許しません。

・その三。

 これはとくに熊谷先生にお聞きしたいのです。

 熊谷先生は奇術がご趣味とのことで、それについての相談なのです。拙いながら僕も奇術を趣味としているのですが、先生はカードマジックにおけるダブルターンノーバーのゲットレディをどのように行ってらっしゃるでしょうか? ダイ・ヴァーノン氏がお好きとのことですから、やはりビドルグリップポジションのように右手を上からデックにかけた際、親指でデック内端を持ちあげて行っているのでしょうか?(高木重朗氏のある本にヴァーノンはそのように行っていたという記述があったと記憶しています)。

 現在僕はそのように行っているのですが、これはデックの湿り具合や手の汗などによりときどきスムーズに行えないことがある気がします。なのでべつの方法を試しているのですが、なかなか上手くできません。ダロ−氏のように左親指でサムカウントして行うゲットレディを試したことがあるのですが、いささか不自然な気がしますし、デックが綺麗に揃っていないと上手くカウントができないことがあります(とくに古いデックだと)。ピンキーカウントで行う人も最近増えているようですが、やはりデックが綺麗に揃っていないと失敗するというデメリットがあります。

 前田知洋氏やスピリット百瀬氏のように、左親指でトップ二枚をいったん右方向へプッシュオフしてから行うゲットレディもありますが……あの動きは観客の目には不自然に映るのではないかと、ちょっと行うのを躊躇してしまいます。 なにか簡単かつ、自然に行うゲットレディの方法はご存じありませんでしょうか(あるいはヒットメソッドの良い方法でも構いません)。 文献の名前などでもよいので、お教え下さいましたら幸いです。

 突然のメールで三つも相談事をするのは失礼かと存じますが、しかしどうしても気になってしまって仕方ありません。

 とくに二つ目の質問については僕にとって死活問題です(他の二つはぶっちゃけどうでもいいです)。いまはもうマリオが使えなく、仕方なくピカチュウで戦っております。大谷育江さんは好きですが、ピカチュウは軽くて吹っ飛びやすくてたまりません。やはりあの赤い帽子を被ったメタボでハイテンションな親父で戦いたいのです。なにかいい戦法はありませんでしょうか?

 

 では、今回はこれにて。最後になりましたが、両先生方の小説、いつも楽しく読ませて頂いております。これからもますますのご活躍を期待しております。


【回答】

 前回の回答からおよそ四ヶ月、ひさしぶりのライトな相談室です(本当に四ヶ月間一切質問が来なかった)皆さんいかがお過ごしでしたでしょうか。三浦です。

 ひさしぶりの質問は長文です。しかも何処かで見たことある名前だなぁと思ったら……同業の方でした(これがファーストコンタクトであります)。

 藍上陸先生はスーパーダッシュ文庫で活躍中の作家さんです。現在進行中の人気シリーズ『アキカン!』はアニメ化するらしく何だかおめでとうございます。皆聞いてよアニメ化だってアニメ化!

 ご質問ありがとうございます。早速回答していきたいと思います。

(なんだか緊張するなぁ……)

 

・その一「村民としてのアイデンティティ」

 僕は札幌市民であり北海道民でもあります。だから村民のアイデンティティというのがいかなるものか想像することしかできません。なので少し規模を大きくして「隣の青森県に吸収合併される北海道」という仮定の元、想像してみました。

 北海県民、三浦勇雄。

 ……ハイ、結論が出ました。大丈夫です。何も変わりません。たとえ県民だろうと道民だろうと市民だろうと村民だろうと俺という人間の根っこは俺のままでありつまり三浦勇雄は三浦勇雄のままであり続けるのだから藍上先生も藍上陸というひとりの男として何ら変わることは無くあなたはあなたのままで陽はまたのぼりつづけるのですおめでとうおめでとう本当におめでとうございます!!

 それでは次の回答です。

 

・その二「スマブラX」

 マイアンサーは以下の通りです。

 

   Wiiサポートセンター

   0570-020-210(ナビダイヤル)

   電話受付時間:AM9:00PM5:00(祝日・会社特休日を除く)

 

 …………だって俺、スマブラは数年前に友達と対戦してフルボッコされてからやっていないというレベルなんですよ…………Wiiなんて見たこともねえ……。

 回答を放棄したわけではありません。「いっそのことWiiを購入してみるか」というところまで検討した結果でもやはり藍上さんの深刻な悩みにはこれが最善の回答だと思ったからゴメンなさい僕はバット一本で世界を救っちゃうネスが大好きですっ!

 

・その三「マジック」

 というわけで熊谷さんにバトンタッチです。熊谷さんよろしくお願いします。

 

 熊谷です。まず最初に確認しておくと、熊谷はマジックが上手ではありません。ド素人です。なので、回答が正しいという保障はありませんし、全然見当違いかもしれません。どうか、その点はご容赦ください。それでも、出来る限りの力で返答しますね!


 ダブルターンノーバーのゲットレディということは、トップから二枚目にどのようにブレークをつくるか、ということになると思います(ここから間違っていたらごめんなさい)。
 熊谷は基本的にディーリングポジションにもち、トップを持ち上げてお客さんにカードを示し(マジックの内容に合わせて何か説明する)、それをトップに戻すときにブレークを作り、戻す動作の流れでカードをひっくり返します。ダイ・ヴァーノン氏がこの方法でもゲットレディを行っていたと、本に書いてあったと思います。他にいくらでも方法はあるのでしょうが、熊谷はこれが好きです。
 この方法は難しい技法がいらないので、失敗する確立が低く、流れも比較的自然であるように感じます。
 どうしてもそれが出来ない場合はピンキーカウントをしますが、あまり上手くないです。こればかりは指が折れるくらい練習するしかないのでしょうね。

…こんな感じで大丈夫でしょうか? 
 おかしなことを言っていたらごめんなさい。

 

 というわけで以上熊谷さんでした。

 ぶっちゃけ僕が書いたテキストに後で熊谷さんが回答を当てはめる、という方法を取っているので、熊谷さんがなんて答えているのか今これを書いている僕にはわかりません。でもきっと熊谷さんなら素晴らしい回答をしているに違いありません。俺、信じている。これが信頼関係というものです。

 ハイ、四ヶ月ぶりのライトな相談室、いかがでしたでしょうか。とても有意義な時間でしたね。藍上陸先生も疑問が解消されてスッキリソーカイであると予想します。お役に立てて光栄です。こちらこそ藍上陸先生の益々のご発展、ご活躍をお祈りいたします。今度メールいたしますのでそのときはよろしくイエー。

 ライトな相談室はこれからもご質問をお待ちしております。年齢性別職業はもちろん問いません。言うまでもなくライトノベル作家も……さすがにもう来ないだろう。

 ではではこんなところで。またいつかお会いしましょう。

 三浦でした!

9/4 K・Sさんからのご相談
相談内容
(前略)
実は私も小説を書いているのですが、書き進めていくと
元々考えていた展開と違う展開に飛躍して話の辻褄が合わなくなり、
それを修正していたら今度は別の部分の辻褄が合わなくなったりと、
さっぱり書き進めることが出来ずに話を直してばかりになってしまっています。
プロの作家の方でもこのようなことはあるのでしょうか?
また、あるのでしたらどのように解決していますか?
【回答】

こんにちは、三浦です!

 今回のご相談は私的な内容もあったので一部略させていただきました。Sさん、その節はお世話になりました。聖剣も楽しんでいただけたようで嬉しいです。

 

 さて、今回の相談の内容は創作に関してですね。

「書き進めていくうちに物語の方向性がブレてしまう」

 とのことですが、これは本文を書く前にプロットを作成することをおすすめいたします。基本中の基本、もしもプロを目指すならば絶対に欠いてはいけないことです。

 プロットというのは物語の下準備、骨組みのことです。人物設定、舞台・世界観設定、シーンの順番。それらを事前に組み立てます。書きたい終着点やそれに至るまでの過程を決めないで書き進めてしまうと、その時々の気分でいくらでも内容は変化してしまいます。だから下準備は入念に、執筆中も舵取りを忘れずに。特にミステリや伏線を重視する物語には必要な工程です。

 軽い例を挙げると――

 

[登場人物]

【セシリー・キャンベル Cecily Cambell

・女。十六歳。一人称「私」。独立交易都市公務員三番街自衛騎士団所属。…(後略)

【ルーク・エインズワース Luke Ainsworth

・男。十七歳。一人称「俺」。…(後略)

 

[世界観・用語]

【大陸】

・(略)

【独立交易都市ハウスマン】

・(略)

 

[本編概略]

prologue

・シーン1「セシリーとルークの出会い」

→都市の鍛冶屋を訪れたセシリーは…(後略)

・シーン2「浮浪者との戦闘」

→(略)

【第1話「騎士 Knight」】

・シーン1「工房『リーザ』を訪れるセシリー」

→(略)

 

 (略)ばっかりですが簡単に書くと以上のような感じです。あくまで一例なので参考程度にしてくださいね。

 慣れないうちはプロット作成はかなり面倒に感じるかもしれません。何せ「このシーンの次はあのシーン、ここでこうしてああなって、このセリフが伏線で、あのキャラとそのキャラが対立して、最終的に…」と一から十まで考えなければいけないのですから。慣れるまでちょっと努力が必要です。

 ただし書き始めなければわからない部分、というのもままあります。これは個人差あると思いますが、設定を何から何までガチガチに決めてしまわず、プロットにある程度の「あそび」を残してしまってもいいかもしれません。たとえば「あえてラストシーンは決めない」とか「あえてこのキャラの性格は定めない」とか。そうした「あそび」が、あるとき物語に色を添えることがあります。これもまあ参考程度に。

 とにかく一度、プロットを作ってみてください。プロットのある作品とない作品では「芯」の部分がまるで違いますから。K・Sの創作活動、応援しております。

 

 はい、今回はこんなところで。

 偉そうなことを書きましたが、創作に関しては僕自身、模索している段階です。毎回毎巻、頭抱えてもだえております。プロットの作り方も作る度に変わります。なのでK・Sさんも自分に合った創作法を探してみてください。正解なんてありませんから。

 この回答が少しでもお役に立てたら嬉しいです。

 ではでは三浦でした!